知っておこう
新型コロナウイルス消毒の知識
ウイルスの不活化の原理
エンベロープとカプシドの破壊
ウイルスは脂溶性の外膜「エンベロープ」を持つものともたないものに分かれます。
脂溶性の外膜「エンベロープ」は、消毒薬剤に弱く、アルコールで破壊することができます。
幸い、新型コロナウイルスは、脂溶性外膜を持つ種類のウイルスであるため、アルコールによってエンベロープを破壊して不活化させることができます。
脂溶性外膜を持たないノンエンベロープと呼ばれるウイルスのノロウイルスなどではウイルスの中心の核酸を取り囲む「カプシド」を破壊する必要があります。
たんぱく質の「カプシド」はアルコールでは破壊することができないため、脂溶性外膜を持たないウイルスに対しては次亜塩素酸ナトリウムなどを用いて「カプシド」を酸化・破壊する必要があります。
エンベロープをもつウイルス:インフルエンザウイルス、コロナウイルス、ヘルペスウイルス、麻しんウイルスなど
エンベロープをもたないウイルス:ノロウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、ポリオウイルス、パルボウィルスなど
感染経路について
感染の原因は主に2つ
《原因1》
飛沫感染
『飛沫』とは、人が咳やくしゃみをした時、言葉を発して喋る時に、口から出る小さな水滴のことです。 口から出た小さな水滴には、ウイルスが含まれていることがあります。『飛沫感染』とは、この飛沫を吸い込んでしまって、感染症にかかってしっまうことを言います。 (WHOは、一般に、5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛まつ(約3,000個)が飛ぶと報告しています。) 飛沫は、直径5umより大きく、くしゃみのように勢いよく飛び出た場合を除いて多くの場合は、約1~2メートルほどしか飛ぶことはありません。 口から飛沫が飛ぶと、重力に従って地面に落っこちたり乾燥してより小さくなり、やがてなくなってしまいます。 国や多くの自治体が推奨している「他人と2メートル以内に近づかない」 人と人との距離を確保するソーシャルディスタンスが飛沫感染を防ぐ為の合理的な方法であることがわかります。
《原因2》
接触感染
接触というと、人と人と触れる「握手」や「ハグ」をイメージしがちですが、実際には、直接人同士が触れるケースだけではありません。アリゾナ大学が行った実験報告によると、オフィスのドアノブにつけた細菌は、社員間の直接的な接触が無くても2時間以内に半数に拡がったといいます。つまり、不特定多数の人がいる場所で物を触った手で、目や口の粘膜を触れてはいけないことや、こまめな手洗いや除菌が必要なことがわかります。
職場や家族に新型コロナウイルスの陽性者が出てご不安かと思います。見えないウイルスに対する不安やストレスから、一部では感染した人に対する誹謗中傷や、私たちの命を助けて下さっている医療関係者の方に対する差別もみられます。私たちは、「ウイルス」について、「正しく知る」ことで、「正しく恐れ、自分を守る」必要があるように感じます。今一度ウイルスについて確認をしましょう。
世の中には様々なウイルスがありますが、 ウイルスの感染経路は「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つと言われています。
厚生労働省のホームページでは、新型コロナウイルスは、一般的には飛沫感染、接触感染で感染すると説明しています。(令和2年8月12日時点版)
参考資料:厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)最近は、WHOの新型コロナウイルスに関する新たなガイドライン)で、「主に屋内で、混雑し換気が不十分な場所で新型コロナウイルスが空気感染することは無視できない」としています。(令和2年7月9日)
これは、体内に入ってくるウイルス量から考えると主な感染経路は飛沫感染ですが、空気感染も考えて部屋の加湿と換気が必要と考えられているためです。
参考資料:空気感染と飛沫感染 菊池中央病院 中川 義久先生(令和2年2月10日)感染源
二次感染を確実に防ぐ
新型コロナウイルスは、接触感染、飛沫感染を主として、感染源(人や物)から周囲に広がるものとされています。 消毒作業では、ウイルス調査報告や人の動線を踏まえ、物から人へ人から物へとウイルスが拡がっていく二次感染を防ぐことを目的に作業を行います。
《吹付け》×《空間噴霧》×《清拭》
安定型次亜水100~200ppm
特殊製法により塩素ガスを発しない次亜塩素酸ナトリウム製剤を用いてミクロン単位の粒子で室内をまんべんなく消毒します。手作業では困難な場所までまんべんなく薬剤を行き渡らせることができます。飛沫によって壁や床、什器に付着したウイルスも残さず除去します。新型コロナウイルスの不活化に有効な100ppm~200ppmの塩素濃度で十分な塗付量を隙間なく散布します。※基材に対して吹付けます。空間噴霧ではありません。
《2回目の清拭》
アルコール濃度78%
菌やウイルスは、感染源となる人との間で直接的な接触がなくても、物を介して社内に拡がっていきます。特にドアノブやスイッチ、電話機など、人の触れる箇所に関しては、次亜塩素酸ナトリウムでの噴霧、清拭に加えて、アルコール(濃度78%)を用いて手作業で清拭を行います。
《オゾン殺菌》
床に落ちたウイルスが作業時に飛散してウイルス感染する恐れがります。建物の構造や作業可能な時間を考慮した上で、作業者の二次感染防止対策の1つとして、ウイルス除去作業前にオゾンによる燻蒸殺菌を実施することがあります。
《作業報告書》
どのような作業を行ったのかを書面で報告書します。
施工範囲:
原則、感染者及び濃厚接触者の活動範囲で消毒作業を行います。
保健所の指導の下で除染範囲を決めて頂きます。
作業例
①クリーンスペース・作業動線の確保
作業前に、「装備装着場所」、「装備脱装場所」、「作業動線」を決めます。
②防護服着用、装備の装着
→防護服、防護眼鏡、防護マスクを着用します。
③室内確認
→空調(換気扇、エアコン等)、窓、火災報知器の確認、作業動線の再確認
④作業者の安全確保
→作業中に床などに落下していたウイルスが飛び、作業者に感染することを防ぐ為にオゾンによる燻蒸処理を行います。
新型コロナウイルスの感染は主に「接触感染」と「飛沫感染」と言われていますが、エアロゾル感染の可能性も無視できないため作業者の安全確保のためにオゾン燻蒸を行います。
※除染場所の状況により実施するかを判断します。
※オゾン燻蒸処理を行う場合は、火災報知器の養生を行います。
⑤消毒作業
→原則、消毒対象は床高2mまでの床、壁、什器等とします。
陽性者のスペースは最後に消毒作業を行います。
⑥作業終了
消毒作業終了後は、作業者の全身に消毒薬を噴霧します。1分以上経過してから、汚染区での装備脱装場所で防護服を抜き、クリーンスペース(非汚染区)に移動します。防護服や作業に使用したウエスはゴミ袋に入れ密封して持ち帰り廃棄します。
ゴーグル、ゴム長靴は、汚染袋に入れ、袋の内側と外側に消毒薬を噴霧し、帰社後(消毒噴霧から10分以上経過後)に水で洗浄をします。次の現場で再使用する場合は使用する直前に消毒薬剤を噴霧します。
新型コロナウイルス消毒作業に従事するスタッフは、朝晩2回の体温を測定を行い、行動を記録します。
消毒作業の事例お役立ち情報
職場や家族で陽性者が出て業者に消毒を考えている方、お気軽にご相談ください。
電話受付 0120-987-073