新型コロナウィルスをきっかけに、様々な細菌やウィルスから身を守るための手段に関心が高まっています。
感染症から身を守る手段の一つに、室内の照明や暗所でも抗菌防カビができる光触媒コーティングが注目されています。
「光触媒」とは、光(紫外線)を浴びると、自らに触れた有機物を酸化分解する性質を持っている物質です。
光触媒は、細菌やウィルスも酸化分解して無毒化してくれるため、病院の手術室のタイルなどにも用いられています。
光触媒は、紫外線に反応して触媒反応が起こるため、従来の光触媒では、室内環境では効果が期待できませんでしたが、
現在では、白金や銀、銅など数種の触媒を混ぜることによって、室内の光(可視光)や暗所でも高い抗菌、防カビ効果を発揮する製品が出ています。
今回は、職場で感染症から身を守るための3つの防衛方法と、職場で光触媒によるコーテイングをやっておくべき理由についてご紹介していきます。
まずは感染症について知りましょう。
職場で感染症を防ぐ為に身近な病原体について知ろう
「感染症」とは、病気をもたらす細菌やウィルスが私たちの体の中に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳等どの症状が出る病気のことを言います。
細菌やウィルスは、目に見えないほど小さな生物です。
細菌には一つの細胞しかなく、栄養源さえあれば自分と同じ細菌を複製して増えていくことができます。
現在、地球上の細菌の種類は約6800種が確認されているといいますが、その全ての細菌が人に害をもたらすのではなく、人の体や農作物などに益をもたらす菌も存在します。
ヒトに病気を起こすことがある細菌を病原菌と呼ばれ、大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌などが知られています。
これに対して、ウィルスは、自分で細胞を持たないため、動物(人)の細胞に入り込んで生きます。人間の体の粘膜からウイルスが侵入すると、人間の細胞に入り込み自分のコピーを作らせ、細胞が破裂し、複製したたくさんのウイルスが飛び出し、他の細胞に入り込み、これらを繰り返します。このようにして、ウイルスは増殖していきます。
ヒトに病気を起こすことがあるウイルスとして、インフルエンザウィルス、ノロウィルス、コロナウィルスなどが知られています。風邪はさまざまなウイルスが原因となります。
このような目に見えない細菌やウィルスなどの微生物で、感染症を引き起こすものを「病原体」と言います。
病原体は床や壁、什器やドアノブなど様々な場所に付着している
ウイルスや細菌で病原体と呼ばれる種のものは、目には見えないものの、感染源となるものがあれば、瞬く間に職場中に拡がっていきます。
細菌は自ら増殖をしていき、ウィルスも会話の飛沫などから、気が付かないうちにどんどん増えていきます。
アリゾナ大学が行った実験によると、ドアノブに付着させたウィルスは社員間の直接的な接触がなくとも、4時間以内に半数の社員に付着したと言います。
コピー機やドアノブなどに付着したウィルスは人の手から様々な物へと付着を繰り返し、瞬く間に職場中に拡がっていくのです。
また、細菌やウィルスは空気中に浮遊しているのはもちろん、壁や床にもたくさん付着しています。
壁に腕や背中が触れたり、床を歩いた靴や足には、沢山の雑菌やウィルスが付着してしまうことが想像できるはずです。
病原体に感染している人や病原体が付着している物を感染源といいますが、
感染症を防ぐためには、感染源を隔離したり、消毒するだけでは予防できません。
何故なら、病原体に感染していても、症状が現れない人がいるからです。
症状が現れる人と現れない人の違いは、「病原体の感染力」とその人の「抵抗力」とのバランスによって決まると言われます。
それでは、職場で感染症から働く人の身を守るためにはどうしたら良いでしょうか。
職場で感染症を防ぐ為の取り組み
病原体に感染しても症状の出ない人からの会話によって飛ぶ飛沫が直接人の粘膜に入ったり、
人の手を介して職場内に拡がっていったりするため、職場で感染症を予防するには感染経路を把握した対策が必要となります。
人から人に移る感染経路は、「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つと言われます。
物理的対策
物理的対策とは、病原菌の「接触感染」と「飛沫感染」を物理的に防ぐ対策です。
まめな手洗いを行い病原菌を職場に拡げない、自分の体に侵入させないことや、人との距離を取る、
自らが感染しているかもしれないという意識をもって、マスクの着用による飛沫を防ぐなどです。
ドアノブなど人が触る箇所をこまめにアルコール除菌して病原菌を拡げない取り組みもその一つです。
感染の機会を減らすための出社人数を制限するなども挙げられます。
物理的な感染予防対策は、職場においては、個人だけでなく、職場をあげて取り組むことも必要です。
室内環境のコントロール
咳やくしゃみなどによって浮遊した病原菌があることを想定し、人が吸入する病原菌の数を減らすために湿度調整や温度調整、空気の入れ替えや空間除菌によって室内環境をコントロールする感染予防対策です。
・ウイルスの活動が低下する湿度と言われる湿度50%RH以上、室温20℃以上に室内環境をコントロールする
・まめな換気や換気ができない環境であれば、空間除菌を行う
体内での防衛
インフルエンザウイルスの体内への侵入とその増殖を抑えることを目的に、うがいやワクチンを接種する防衛方法です。
光触媒コーティングを職場で行うべき理由
集団感染が起こらないように密を防ぐ為の出社調整や、飛沫感染を防ぐ為のマスクの着用やソーシャルディスタンス、接触感染を防ぐ為のまめな手洗いとドアノブなどのアルコール除菌、空気感染を防ぐ為の換気や次亜塩素酸水などによる空間除菌、これらすべてを行うことは、感染症リスクの低減に寄与してくれるはずです。
しかしながら、目に見えない細菌やウィルスは、椅子やデスク、書類棚などどこに潜んでいるか分かりません。また、日常的にコピー機やドアノブなどの接触部の除菌を漏れなく完璧に行うことは現実的に不可能です。そこで、働く職場空間をまるごと抗菌コーティングを行うことによって、「接触感染」による感染リスクを低減することができます。また、空気の対流によって光触媒コーティングした壁に細菌やウィルスが付着すると、酸化分解して無毒化してくれるため、空気中に浮遊する菌が減少するなど、一石二鳥です。
尚、有機物を分解する光触媒には次のようなが特徴があります。
抗菌
抗ウイルス
消臭
防カビ
防汚
シックハウス対策
クリーンな職場環境で働くためにはどれもかかせませんね(^^)