福岡県では、6月9日(日)から、イエシロアリの羽アリが本格的な飛翔を始め、シロアリ・羽アリに関する問い合わせが急増しております。しかしながら、現在、福岡県内において、大手業者紹介サイトを悪用した悪質なシロアリ駆除業者が横行していることが続けて確認されました。

不安を煽り、高額な契約を迫る

・飛来してきた羽アリを故意に誇張し、「1匹いたら100匹いる」などと不安をあおり、数百万円の工事契約を迫る。

・シロアリ調査を依頼したにもかかわらず、床下調査を行わず屋根の点検を行い、雨漏りを装い高額な見積もり(700万円等)を提示し、その場での契約を迫る。

・羽アリの大量発生を理由に床下調査ではなく屋根裏の点検を行い、ネズミ駆除を勧誘する。シロアリ対策については天井にバルサンを焚けば良いと虚偽の説明をする。

羽アリは光に誘引されて飛来するため、必ずしもシロアリが原因とは限りません。また、シロアリ発生の判断には、必ず床下に入って侵入経路を確認する必要があります。

上記のような悪質な業者と契約してしまった場合は、無期限の契約取消が可能となる場合があります。速やかに消費生活センターにご相談ください。

10年保証を提示する業者は慎重に検討すべき理由

シロアリ防除薬剤の効力は5年を目安に作られていますが、
最近のWEB広告の中には、10年間のシロアリ保証を提示する業者もいます。
本当に保証をしてくれるかは、その業者次第になりますので、注意が必要です。

現在の薬剤の効力は5年が目安とされていますので、薬効以上の保証期間を設ける場合では、
建物の構造と地域性を考慮した上で、通常の薬剤施工だけでなく、物理的な施工や保証期間中に再処理を加えるなどによって長期保証を謳うことが必要と考えられます。

しかしながら、中には、シロアリ防除の専門性がないにも関わらず薬剤の効力を上回る保証を提示している業者もみられます。

例えば、弊社が業務の中で知った事例では、調査依頼のあった所有者の建物は、他の所有者の建物と接地しており、
他の所有者の敷地内でのシロアリ防除施工を行わなければ、シロアリ対策として有効でないにもかかわらず、
一部だけの施工で10年保証を謳った見積書を提示している業者がみられました。

こちらの業者は10年保証を提示していますが、業者の本業はシロアリではないとのことでした。
WEB広告の業者の中にはシロアリの専門性が乏しく、その場しのぎの内容のことがあります。

保証は工事会社あって保証されます。

現在のシロアリ防除剤の効力は5年が目安ですので
それ以上の長期の保証期間をPRする業者は、施工の内容を慎重に検討をしましょう。

業者紹介サイトは悪用される可能性がある

業者紹介サイトは、見積もり案件を紹介する際、1件数万円と高額な料金を業者から徴収しているため、紹介された業者が不当な契約を迫る可能性が高くなります。

業者紹介サイトを利用した場合、見積もりに来る業者は、案件の内容や成約の有無に関わらず、1件あたり2~3万円の紹介手数料を支払うことが一般的です。そのため、無料調査見積もりを行うにも関わらず、広告費用の回収が難しく、事業の収益性を維持するために、余計な工事項目の見積もりや、床下換気扇などの商品販売が必要となるケースがあります。結果として、専門知識が不足している消費者に対して、高額な商品を販売するといった営業手法が見られることがあります。

自己防衛のために情報収集と慎重な判断を

シロアリ駆除業者は数多く存在します。信頼できる業者を選ぶためには、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。また、今回紹介したような悪質な業者の手口についても事前に知っておき、被害に遭わないよう十分注意しましょう。
参考情報
消費生活センター:https://www.kokusen.go.jp/
国民生活センター:https://www.kokusen.go.jp/