私たちが普段よく呼ぶ「コバエ」とは、小さなハエの総称で、

ショウジョウバエ、キノコバエ、ノミバエ、チョウバエなどの種類があります。

コバエと呼ばれる主な小さなハエ
ショウジョウバエ:
体長2.5mm程度の黄茶色の個体。腐れた果物や腐食物に集まる。生ごみのある場所や台所が主な活動場所。

ノミバエ:
体長2ミリ程度の黒褐色の個体。腐った植物やゴミに発生。食品(特に肉など)に潜り込み産卵することがある。

キノコバエ:
体長2mm程度の灰黒色の個体。湿気の多い薄暗い場所や腐れた植物の周辺(腐葉土)を好んで生息。
観葉植物に与える腐葉土に卵を産卵していることがあり、室内に発生することがある。

チョウバエ:
体長5mm程度の黒色の個体。浴室、台所などの排水、下水管、湿地、沼地など水源があるところが主な生息地。

クロバネキノコバエとは?

クロバネキノコバエとは、ハエ目(双翅目)カ亜目(長角亜目)クロバネキノコバエ科(Sciaridae)に属する昆虫の総称です。

ハエ目(双翅目)カ亜目(長角亜目)キノコバエ科に属する種をキノコバエと総称しますが、しばしば、クロバネキノコバエ科の昆虫もキノコバエと呼ばれることがあります。

クロバネキノコバエは、堆肥などの土の中の有機物に生息し、発生するため、農作物などを食害する農業害虫、衛生害虫として知られています。
また、腐敗した植物や樹皮を食料とするため、観葉植物などが誘引源となったり、室内の植木鉢の堆肥に卵が混入されていた場合に発生源となることがあります。
室内を閉め切っているのにクロバネキノコバエが発生している場合は、観葉植物の堆肥が発生源になっている可能性が考えられます。

クロバネキノコバエは、農業被害をもたらす害虫として知られていますが、「キノコバエ」という名のとおり、シイタケの菌床栽培での発生に悩まされています。

岐阜県の菌床シイタケ栽培施設におけるキノコバエ類の被害

生態と特徴

体長1~6ミリメートルと網戸を通り抜けるほど小さい個体がいる。色は黒色や黒褐色 。

有機物の豊富な腐葉土のある森林、畑や植木鉢などに産卵し、発生源となる。

幼虫は土壌中の腐敗した植物などを食べて成長する。

4月から6月、9月から11月の雨上がりの翌日の午前に発生することが多い。

走行性があり、特に雌は灯火に飛来する傾向が強い。

気候等の条件がそろうと近隣の屋外で大量発生し家の中に侵入することがある。

発生場所の特定が困難なことが多く、発生源を取り除いて駆除することが難しい。

ヒトに病原体を媒介することはない。

被害と影響

クロバネキノコバエは、刺す、噛むなど人に被害を及ぼすことはありません。
室内で大量に発生した場合には、人に不快感をもたらします。

2013年に岐阜県の小学校の学校給食のパンにクロバネキノコバエの一種が多数混入し、
その部分を取り除いて食べるように指導したところ、食品廃棄や衛生の観点でニュースとなり議論となったことがあります。

農業分野では、クロバネキノコバエの多くの種は植物や菌類を餌とし、フハイカビ(腐敗黴)を媒介するため、農作物などに被害を及ぼす害虫として扱われています。

対策

室内でのクロバネキノコバエが発生の対策には、環境整備や侵入経路の対策、トラップや適切な殺虫剤の使用があげられます。

発生源の対策

クロバネキノコバエは有機物が豊富な腐葉土を好むため、

観葉植物などの植木鉢の堆肥や昆虫の幼虫飼育マットに産卵されていることがあります。

室内が発生源となっている場合では、これらの対策が必要です。

敷地内で畑の堆肥からの発生が著しい場合では、熟成が進んだ有機肥料をするなどの対策を検討することが必要です。植物の土や腐葉土を定期的にチェックし、幼虫が発生している場合は、早期に除去しましょう。

熟成が進んだ有機肥料を使用する

臭いに誘引される特性

クロバネキノコバエは、有機物から発せられる臭いに敏感です。この臭いが彼らを引き寄せる要因となります。

有機肥料などの発酵物は、乳酸菌や発酵菌の活動に依存します。しかし、頻繁な切り返し作業が行われない場合、腐敗菌が優勢となり、不快な臭いが増幅されます。

有機用土と微生物

未熟な有機肥料や腐葉土、有機培養土には多くの微生物が含まれており、これらの微生物の活動によって臭いが発生し、クロバネキノコバエを引き寄せる可能性があります。

また、有機物や菌はクロバネキノコバエの餌となります。

有機肥料を使用する際は、熟成が十分に進んだものを選びましょう。

室内に侵入させない対策

侵入経路となっている窓やドアなどの室外には、扇風機等を置いて、成虫が室内に入らないように送風する。
※換気扇やエアコンの稼働が原因で、成虫を吸引して室内に侵入させてしまうことがあります。
隙間や破損箇所があれば修復し、窓に網戸を設置し、虫の侵入を防止する。換気扇にも網戸を設置すると良いでしょう。

捕虫トラップ

ライトトラップや粘着トラップを設置して成虫を捕獲する方法があります。