この記事をご覧の方は、虫刺されによる痒みやお家の中でトコジラミの発生が疑われてお困りの方ではないでしょうか。
このページでは、自分でできるトコジラミ駆除方法を紹介します。
まず、トコジラミの生態などの基本情報や確認方法について学びましょう。そして、発生原因と対策を考え、自分でできる駆除方法を試してみてください。また、専門業者に依頼するメリットと依頼する際の注意点もお伝えします。
この記事がトコジラミ対策の基本的な知識を身につけ、快適な生活を取り戻す一助になれば幸いです。
トコジラミの基本情報と確認方法
トコジラミは非常に厄介な害虫で、特に近年日本では発生が増加しています。駆除が困難な害虫であるため、まずはトコジラミの生態と確認方法をしっかりと学びましょう。
トコジラミの特徴と生態
トコジラミは、以前は南京虫とも呼ばれていた吸血昆虫で、主に人の血を吸って生活しています。成虫のサイズは約5mm程度で、外見は赤褐色をしており、卵から成虫までには約1か月程度かかります。トコジラミは生息場所として、家具や壁、床の隙間などに潜みます。主な繁殖場所は寝具に近い家具や壁、天井、カーテンなどで、潜む場所には黒い糞が散らばっていることが特徴です。
トコジラミは人間や他の動物の体温や二酸化炭素を感知して接近し、夜間に活発に動きます。駆除方法としては、掃除機での吸引や有機リン系、カーバメイト系の殺虫剤が有効であり、専門業者に依頼することがおすすめですが、駆除にあたっては、家具や布団の隙間など隠れた場所へのアプローチが難しいために、完全駆除ができる業者も少ないことを知っておきましょう。また、有機リン系の薬剤は毒性が高くなるため、使用する薬剤の量と毒性を理解し、住む人への影響を考えた施工を行ってくれる業者を選ぶことも大切です。
駆除が困難なのはトコジラミの「繁殖力」と「生命力」
<a rel=”nofollow” class=”external text” href=”http://www.pheromone.ekol.lu.se/projrickard.html”>Rickard Ignell</a>, Swedish University of Agricultural
Sciences – <a rel=”nofollow” class=”external free” href=”http://www.pheromone.ekol.lu.se/Images/mating.jpg”>http://www.pheromone.ekol.lu.se/Images/mating.jpg</a> from <a rel=”nofollow” class=”external free” href=”http://www.pheromone.ekol.lu.se/proj2camilla.html”>http://www.pheromone.ekol.lu.se/proj2camilla.html</a>, CC 表示-継承 1.0, リンクによるトコジラミの交尾の写真
雌のトコジラミは、毎日5~6個程度の卵を産み、1回の交尾で一生のうちに500個の卵を産卵すると言われています。したがって、受精を終えたトコジラミの雌を駆除し損ねると、大量の卵を産み続け、その子たちが新たに繁殖をしていきます。これがトコジラミを完全に駆除する必要がある理由です。
また、飢餓にも強く、1年4か月もの間、無吸血で生き延びたということも報告されています。
従来の薬剤に抵抗性を持っていることに加えて、トコジラミの凄まじい繁殖力と生命力、隙間を好み潜む習性により、完全に駆除することを困難にしています。
ありさ利奈 – <a href=”https://ja.wikipedia.org/wiki/User:%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%95%E5%88%A9%E5%A5%88″ class=”extiw” title=”ja:User:ありさ利奈”>ありさ利奈(旧亜利紗)</a>自ら撮影, CC 表示 3.0, リンクによる見開き雑誌の綴じ部分に潜むトコジラミの写真
トコジラミを見つける方法
トコジラミ被害の典型的な症状は、皮膚に赤く激しいかゆみを伴う発疹が現れることです。皮膚科に診察してもらっても、ダニやノミと診断されことが多いため、症状ではなかなかわかりません。そのため、自宅にトコジラミの生息があることを特定する必要があります。トコジラミは、隙間を好み、コンセントや巾木、敷居、家具やベッド、カーテンなどの隙間に潜んでいます。トコジラミは夜行性の昆虫で、基本的に灯り点いている時には姿を現しません。夜間消灯をして人が寝付いたときに、隙間から現れて吸血活動を行います。それではどのようにしてトコジラミは発見できるのでしょうか?
目視で見つける
まずは、ご自身の目で見つける方法です。
前述のとおり、トコジラミは隙間を好みますので、懐中電灯で明かりを照らして、部屋の隅(巾木、敷居)や壁(エアコン、鴨井、つなぎ目など)、ベットの裏側、マットレスなど隙間という隙間を調査します。
赤褐色の虫や黒い糞(血糞)、1mm程度の白い卵がないかをチェックしましょう。
部屋の隙間や家具内のチェックポイント
下のような場所に潜んでいることが多いです。
– ベッドやマットレスの隙間
– 壁と家具の間
– カーテンやクッションの裏
– 電源コンセントや壁紙の剥がれ
~マットレスや布団の確認と対処~
– シーツを剥がし、血糞や成虫、卵がないかの痕跡をチェック
– マットレスの隙間や裏面も念入りに確認
ありさ利奈 – <a href=”https://ja.wikipedia.org/wiki/User:%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%95%E5%88%A9%E5%A5%88″ class=”extiw” title=”ja:User:ありさ利奈”>ありさ利奈(旧亜利紗)</a>自ら撮影, CC 表示 3.0, リンクによるトコジラミの抜け殻写真
被害が進行している場合では、トコジラミは容易に発見できますが、
初期段階ではトコジラミの営巣を発見することが困難です。
そこで、お勧めする方法が、次の「人囮法(ひとおとりほう)」です。
人囮法
トコジラミをはじめ、蚊などの吸血昆虫は、二酸化炭素に誘引されて集まってきます。
蚊では、8分間人囮法という、草むらなどに人が立ち、蚊をおびき寄せて虫網で捕獲する生息調査法があります。
トコジラミも蚊の生息調査と同じように、自らが囮となってトコジラミの生息を調査することが最も簡単で確実です。
しかしながら、トコジラミは夜行性で夜間の人が寝静まったときに忍び寄ってきます。
そこで、電気を消して就寝後、夜中の2時半~3時半頃に目覚まし時計とセットして、起きてすぐに調査を行います。
トコジラミは明かりが点くと、猛ダッシュで逃げていきますので、隙間付近に粘着トラップや粘着テープをセットしておくと尚良いです。
また、気温が低いと活動が鈍るため、できればエアコンで26℃以上の室内温度に調整しておくと良いでしょう。
就寝前に汗をかくくらい腕立て伏せやスクワットなどの筋トレを行っておくと、よりトコジラミを誘引しやすくなりますので、試してみてください。
粘着トラップ
トコジラミの生息が疑われる部屋に粘着トラップや粘着テープを設置して、生息をモニタリングする方法です。
参考:トコジラミの見つけ方
トコジラミの生息が確認された場合、薬剤での駆除、掃除機での吸引を行いますが、近年のトコジラミは、ピレスロイド系統の薬剤に対しての抵抗性が強く、殺虫成分によっては駆除ができないため、薬剤成分の確認をすることが必要です。また、トコジラミが発見された部屋のシーツやカーテンなどの布類は、ビニール袋に入れて、密閉状態で持ち出して温水で洗濯をし乾燥機にかけましょう。一般的に、トコジラミは50℃で30分・60℃で10分・80℃なら5分で致死すると言われています。
トコジラミは繁殖力に優れているため、一匹残らず駆除をしなければ再発生をしてしまいます。不安な方は、被害が拡大してしまう前に初めから専門の業者に依頼することが最も効果的です。
就寝時の応急対策としては次のような方法があります。
~就寝時のトコジラミ被害の応急対策~
電気を点けたまま寝る
飢えているトコジラミを例外として、トコジラミは灯りのある環境に積極的に現れることはありません。
就寝時は電気を点けたままにすることが、トコジラミに刺されないための方法の1つです。
パイプベッドにする
トコジラミは、飛翔やジャンプはしません。そして、ガラスやアクリルなど、ツルツルした面を移動することが苦手です。
トコジラミが上ることが困難なパイプベッドにして、壁との距離を保つことでトコジラミに刺されないための対策になります。
その際は、布団が床につかないように気を付けましょう。
虫よけスプレーで忌避する
蚊など吸血昆虫を忌避するディートなどを有効成分とした吸血昆虫用忌避剤を肌や衣類、寝具に撒くことで一時的に(数時間程度)トコジラミの接触を忌避できる効果があります。
蚊帳の中で寝る
蚊帳の中で布団を敷いて寝ることも応急対策としてお勧めです。
ベッドの接地にツルツルのテープを巻く
パイプベッドにするのは難しい場合は、ベッドの接地面の摩擦を無くすようにツルツルのテープなどを貼るとよいでしょう。
トコジラミ発生の原因と対策
トコジラミ発生の主な原因は、旅行先やホテルでの宿泊時にトコジラミがバッグなどの持ち物に潜入し、自宅にトコジラミを持ち帰ってしまうことです。
トコジラミ被害を防ぐためにはどうすれば良いでしょうか。
トコジラミ被害を予防するためには?
トコジラミは人(物)の移動によって被害が拡大します。いつどこで身の回りのものにトコジラミが侵入して家に持ち帰ってしまうかはわかりませんが、不特定多数の人が宿泊するホテルや旅館を利用する時は、注意をしておくことが良いでしょう。
旅行先やホテルでのトコジラミ対策
特に旅行先やホテルでは、トコジラミに注意しましょう。荷物や衣類に付着して自宅に持ち帰るリスクがあります。ホテルでの注意点は以下の通りです。
・ ベッドやカーテン、家具の隙間をチェック
・ 旅行前に宿泊施設の評価や口コミを確認
・ トコジラミがいるかどうか確認するために、専用のトラップを持参
・物を床に直接置かない。
・衣類や持ち物を密閉袋で管理する
旅行やホテルでの宿泊時には、トコジラミを持ち帰らないように、部屋に潜伏したトコジラミがバッグなどの中に入らないように、物は直接床に置かないようするなどの注意が必要です。海外の旅先だけでなく、訪日観光客が増えている今の日本の宿泊施設でも気を付けなければいけません。トラップ調査は即効性がないため、実際には目視調査を行うことが重要です。特にベッド周りは血糞や個体がないか注意深くみましょう。問題がある場合は、施設に報告し、対応をお願いしましょう。繰り返しますが、旅行先での予防策としては、物を床に置かないことです。衣類や持ち物を密閉袋に入れて管理すると良いでしょう。
自宅でのトコジラミ対策
・玄関で靴を直置きしない
・バッグを床に直接置かない
万が一、トコジラミを持ち帰ったとしても、靴やバッグをプラスティック製などのツルツルした容器の中に置くことで、自宅内での被害の拡大を防ぐことができます。
トコジラミが繁殖する前の初期段階で駆除できるよう、家具や床などの隙間をこまめに丁寧に掃除することは重要です。出張や旅行で宿泊する機会が多い方は、日ごろから隙間を意識した掃除を心がけましょう。
自宅でできるトコジラミ駆除方法
≪除去作業≫ガムテープでの粘着や掃除機での吸引
自宅でトコジラミ駆除を行う方法は、まず初めにベッドや家具などの隙間をチェックし、発見した場合は成虫や卵を除去します。ピンセットやガムテープ、掃除機を使用してトコジラミの個体や卵を取り除くことが効果的です。床や畳、マットレスの隙間など、隅々まで吸引し、袋で密閉して廃棄しましょう。
高温で殺虫する
布団やカーテンなどの布製品は、袋に詰めて密封の上で持ち運び、50度以上の湯に浸漬させたり、高温の乾燥機にかけることでトコジラミの成虫と卵は致死します。高温スチームを活用して卵や成虫を駆除することも有効です。
シーツ・カバー・カーテン:スチーマーをかけるか、ビニール袋にいれて、50度以上のお湯に1時間以上浸した後洗濯する
薬剤での駆除方法
市販のトコジラミ駆除用薬剤を使用し、部屋の要所に散布します。
繰り返しとなりますが、現在の日本のトコジラミの9割以上はピレスロイド系統の薬剤への抵抗性があるとされています。
その抵抗性は、ピレスロイド系家庭用殺虫剤がよく効くトコジラミ集団の1000倍以上、一部では10000倍以上とも言われています。
したがって、ピレスロイド系統の薬剤をトコジラミの駆除で使用することは適切とはいえません。
トコジラミの駆除で有効な成分の一例として、
以下の成分があります。
・イミプロトリン+メトキサジアゾン
・プロポクスル
・フェニトロチオン
・プロペタンホス
トコジラミの生息がみられる箇所への注入、トコジラミの行動が予測できる箇所に残留処理を行います。
ベッド周りはトコジラミが潜みやすい場所です。注意深く念入りに駆除を行いましょう。
トコジラミへの効果が表記されている市販殺虫剤の成分は、ピレスロイド系統の薬剤であることがほとんどです。ピレスロイド系統の薬剤は哺乳類への毒性は低く、人が体内に取り入れても分解されて排出されるため、安全性が高い点がメリットですが、現在の日本でみられるトコジラミはピレスロイド系統の薬剤に対して抵抗性があるため完全な駆除は難しいことに注意してください。薬剤への抵抗性というのは、トコジラミに限らずゴキブリやハエ、ネズミなどの昆虫類、細菌やウイルスなどは、同じ薬剤を使い続けると、その系統の殺虫成分について抵抗性が生まれ、薬剤が効きにくくなります。例えば、身近なゴキブリの場合でよくあるのは、同じ薬剤をずっと使い続けると、1の量で駆除できていたのが、1.3倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍・・・1000倍…10000倍の量が必要となり、そのゴキブリの子孫(コロニー)にその薬剤成分に対しての抵抗性が生まれて、殺虫成分が効かなくなっていきます。
トコジラミは繫殖力に優れているため、一匹のこらず完全な駆除が必要です。抵抗性のある薬剤を選ぶことは、完全に駆除を行うには適切とはいえず、駆除に失敗する可能性を高くするでしょう。
効果にトコジラミと記載されているのは何故?
トコジラミの効果を標榜するには、医薬品医療機器等法(薬事法)による登録が必要ですが、以前はゴキブリに対する効果があればトコジラミに対する効果も認められていました。
したがって、現在のトコジラミに対する感受性試験を行っていないまま販売されているものが多く出回っており、ピレスロイド系統の薬剤に抵抗性のあるトコジラミが9割以上である今の時代では十分な効果が期待できない可能性があります。市販殺虫剤を購入する際には成分の確認をすることが必要です。
専門業者へのトコジラミ駆除依頼のメリット
自分で駆除作業を行うにも業者に任せるにも、トコジラミの完全駆除は時間が必要となりますが、
トコジラミ駆除の技術のある業者に依頼することで、状況に応じた対策を提案して、被害を最小限に抑えることができます。
専門業者は適切な薬剤を選び、正確な使用方法で駆除を行うため、人やペットへの副作用リスクを低減できます。また、場所や隙間に巣くうトコジラミを発見し、卵や幼虫も確実に駆除可能なので、再発の危険性を減らせます。
家具や布団の移動は困難であり、個人では対処できない場合が多いですが、専門業者は適切な方法で対応できます。責任をもって駆除する業者は、駆除後のアフターサービスや保証があるため、万が一の場合でも安心できます。
トコジラミの生態を理解し、完全駆除を行うための技術と根気のある業者に依頼することで、安心できる毎日を取り戻すことができます。
専門業者の技術とサービスの選び方
薬剤抵抗性があり、繁殖力の高いトコジラミは難防除の害虫とされています。
戦後、日本ではほぼ絶滅状態であったトコジラミですが、2000年代に入って被害が増加するようになりました。
約半世紀の間、トコジラミ駆除の歴史に空白があったため、防除技術を持つ業者が少ないことがあります。
駆除方法も様々で、できるだけ殺虫剤の使用を控える業者から大量に殺虫剤を噴霧する業者など傾向も様々です。
必ず確認をすべき点は
・保証はあるか?(1年以上が望ましい)
・安全性は配慮されているか?(どのような薬剤を使って、どのような施工をするのか?)
・何回施工をするか?
・アフターサービスはあるか?
トコジラミの完全駆除を行うには、数回の施工が必要で、被害の範囲と状況にもよりますが、20万円~30万円くらいの料金となることが多いです。
料金があまりにも安すぎる場合は、完全駆除を目標としていない殺虫剤を散布するだけの可能性が高いため、
どのような施工を行うのか、何回施工を行うか、保証はあるのかについて確認をしましょう。
さいごに
トコジラミの駆除を自分で試みる場合は、掃除機での吸引やスチーマーなどでの除去と駆除、殺虫剤の成分を確認して、適所に残留処理を組み合わせてください。
トコジラミは一匹残らず完全に駆除する必要があるため、専門家に依頼することが被害の拡大も防げ、安全に駆除ができる近道です。
自分でトコジラミの駆除を行う方へお勧めの文献
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000074553.pdf
トコジラミ読本:https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%82%B3%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%9F%E8%AA%AD%E6%9C%AC-%E3%83%88%E3%82%B3%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%9F%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A/dp/488893133X
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