イタチは、沖縄以外の離島を含めて日本全国に生息している動物です。
主な生息地は平野部の草地や川沿いなどの水辺ですが、田畑や人家の周辺、山岳部にも生息しています。
肉食性の強い雑食で、カエル,ネズミ類,鳥類,昆虫類,甲殻類,魚類を捕獲して餌にしています。

イタチの寿命は1年半~3年と短命で、繁殖期以外はほぼ単独で生活をし、雌が単独で子供を育てます。
子供の成長は早く、生後2カ月半程で成獣と同じ体重になります。
4月頃から繁殖期となり、5月頃に生まれた子は、8月頃には雌親を離れ、子供だけで生活をし、10月頃からそれぞれ単独の生活へと移ります。
基本的に交尾は年に1回ですが、九州のイタチは年に2回あると言われています。

イタチは、一夫多妻で、雄はいくつかの雌の行動圏に重なるように生活をしています。
本拠地の巣と休息用の巣を持っており、夜行性であるため、主には日が落ちてから活発に活動をします。
単独で活動するイタチは糞や尿を用いて個体間のコミュニケーションをとっていると言われています。

イタチは、3センチほどの隙間があると抜けることができるため、
床下や軒の隙間から家に侵入して、住みついてしまうことがあります。

日本にいるイタチは2種類でニホンイタチとチョウセンイタチですが、都市部に生息しているのは主にチョウセンイタチです。

ニホンイタチ
オスが27-37 cm、メスが16-25 cm、茶褐色から黄褐色

チョウセンイタチ
オス28-39cm、メス25-30.5cm (ニホンイタチよりも体が大きい。)

チョウセンイタチは外来種ですが、国策として毛皮の生産を奨励されていた太平洋戦争前に関西の毛皮業者が養殖の為に日本に持ち込んだものが、養殖場から逃げ出したことで拡がったものと、1947年頃に九州でネズミ駆除を目的に人為的に持ち込んだことによりチョウセンイタチの活動が拡がったと言われいます。
人の家に棲みつくほとんどはチョウセンイタチです。
ニホンイタチよりも体が大きいチョウセンイタチの方が優勢となるため、移入した場所ではニホンイタチを山間部に追い込んでいます。
住宅地でのニワトリなどの食害や家屋での騒音、糞尿の問題を起こしており、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。

イタチ駆除方法

イタチ駆除の方法と言っても、鳥獣保護法により、イタチをいつでも捕獲したり殺処分することはできません。
面倒な自治体の手続きなく自分でイタチを駆除するには、家の中からイタチを追い払う方法となります。
※メスイタチは狩猟獣ではないため、一年を通して捕獲は出来ません。

イタチを追い出す3つの方法

ニオイ(忌避剤)で追い払う

イタチが嫌がる臭いで追い出す方法です。

・小動物用の忌避剤(天敵の臭い)
・木酢液
・クレゾール石鹸液
・漂白剤(カルキ)(ニオイが弱い)
・酢(ニオイが弱い)

光で追い払う

イタチは、天井裏などの暗い場所の棲み処で、急に光が当たると、発見されたと感じて逃げ出します。
クリスマスで使うイルミネーションなどで強い光が点滅するものを天井裏に設置し、CDやホログラムシートを光の当たる範囲にぶら下げると、光が乱反射し、追い出し効果が高まります。

煙で追い払う

バルサンなどの燻で追い出す方法です。
人も室内で煙が充満すると外に避難するのと同じようにイタチも棲み処が煙まみれになると移動します。
バルサンでのイタチの駆除についてはこちらを参考にして下さい。

イタチ被害の影響

早めにイタチ駆除を行なうべき4つの理由

イタチの侵入に気付いたら、早めに駆除を行ないましょう。
その理由は以下の4つです。

家が傷む

イタチは小屋裏で断熱材を引き裂いて巣を作り寝床にします。
天井裏を動き回るため断熱材がモミクシャになって駄目になったり、糞尿によって天井板にシミができることがあります。

病原体によるアレルギーや感染症のリスク

イタチはネズミなどの小動物を捕まえて巣に持ち帰ります。
食べ残した死骸や糞尿は病原体の原因となり、抵抗力の低い小さなお子様やお年寄りがお住まいの家では感染症のリスクが伴います。
死骸や糞尿の跡からはノミやダニが発生します。
イタチの侵入被害の放置は衛生管理上好ましくないため、早めの対策をお勧めします。

騒音

イタチは夜行性で真夜中に天井裏をドタドタドンドンと駆け回ります。
その騒音のせいで熟睡できずに不眠になられる方もいらっしゃいます。

悪臭

イタチは溜め糞と言って、糞尿を一カ所にまとめる習性があり、強い悪臭が染みつきます。

自分でイタチ駆除をする時の注意点

子育て中の親がいる場合に、追い出しを行うと、親のイタチが育児放棄をして子供だけ取り残されてしまう可能性があります。
4月から8月にかけては雌のイタチの子育ての時期です。この時期は小屋裏での煙による追い出しはやめましょう。

イタチを追い出した後の注意点

再侵入の防止

イタチを追い出しても、侵入口を塞がない限りは、イタチが戻ってきてしまいます。
追い出しと一緒に侵入口の封鎖を行いましょう。

清掃と殺菌(衛生対策(アレルギー・感染症)

イタチは小屋裏に糞尿します。そのままにしておくと、ダニや病原菌が繁殖をしてしまいます。
衛生管理上、そのままイタチの糞尿を放置することは好ましくないため、イタチを追い出して侵入口を封鎖したら掃除を行いましょう。
掃除の後は、ノミダニや菌に効果のある殺菌消毒まで行うと安心です。

さいごに

イタチを自分で駆除する方法と注意点はわかりましたか?
無事にイタチを追い出すことができたら、再びイタチが家に入ってこれないように侵入口を塞ぎましょう。

プロにイタチ駆除を依頼した場合の駆除費用についてはこちらをご覧ください。