トコジラミ駆除業者を探す時には、
インターネットで業者の口コミや評判を調べる方も多いと思います。
トコジラミ駆除を業者に依頼をする際には、様々な情報を調べることは必要ですが、
インターネット上には、自作自演のレビューやアフィリエイト等の宣伝代行業者による口コミ情報が多くあります。
「口コミ(クチコミ)」と「Google」「Amazon」「楽天」のキーワードでそれぞれ調べると、口コミの売買案件が多くヒットした。こうした案件は「クチコミ」と調べただけでも、「おすすめ順」の上位に表示されていた。買われたクチコミ。Googleマップ、Amazon、楽天で横行か。 温床になっていたのは…
トコジラミ駆除業者を探す時にも、情報を鵜呑みにせずに、情報の信頼性に注意しておきましょう。
今、お調べになっているトコジラミの駆除は、害虫駆除業者でも専門的な技術を持つ業者が少ない状況です。
そのため、駆除業者に薬剤を散布してもらったけども、トコジラミが再発生をして無駄なお金と時間を使ったという方も多く、繰り返し駆除業者に出費をされるケースもあります。
また、駆除業者によっては使用する殺虫剤の安全面での認識を誤っていることから大量の薬剤散布に頼り、駆除という一面だけを考えて依頼者の健康面への配慮をしていないこともあるようです。
トコジラミ駆除は安全性に配慮して完全に駆除を行う場合では、非常に手間がかかります。料金の安さだけで選ぶと、駆除ができないだけでなく健康を害する可能性も高くなります。
したがって、トコジラミの駆除業者を探すときには、トコジラミを完全に駆除する技術だけでなく、その駆除方法が、住む人の体への安全面に配慮された内容であるか、そして、施工後も一定の期間でアフターフォローをしてもらえるかという点が重要になります。
(※最近ではトコジラミの報道が多くなりましたので、新規参入をする業者も増えているようです。そもそもが殺虫剤の知識がなかったり、殺虫剤に対して誤った認識の業者も多くなることが考えられますので注意をしてください。)
業者の駆除方法は様々です。例えば業者の保証期間が長く、一見、お得に感じても、実は落とし穴があることもあります。
あなたがトコジラミの駆除で失敗しないために、トコジラミの駆除を依頼するときに重要な業者の「アフターフォロー(保証)」と「安全性の高い駆除技術」の二つの関係について詳しく説明をしていきます。
トコジラミ駆除に一定期間の保証が必要な理由
トコジラミ駆除を業者に依頼する時の最低条件の一つは、工事保証があることです。
ただし、注意しないといけないのは、保証があれば安心という訳ではなく「一定期間以上の保証があること」が必要なのです。
この理由についてですが、
ご存知のようにトコジラミは繁殖能力が非常に優れており、交尾を終えた雌の個体を1匹でも生き残すと毎日トコジラミが産卵をして大繁殖を繰り返してしまいます。
トコジラミの繁殖能力は、1匹のトコジラミで、1日に5~6個の卵を産卵し、一生涯に500個の卵を産卵すると言われています。
トコジラミの卵の期間は、25℃の環境下では約5日、卵から成虫になるまでの期間は約40日程度とされます。
つまり、 夏場でも保証期間が1カ月以内では、トコジラミの再発に気付くことができない可能性があります。
また、気温が15℃を下回ると、卵から成虫になるまでの期間は270日程度と言われます。
したがって、トコジラミ駆除の保証は、駆除を行う季節に応じた期間の保証をしてくれる業者を選ぶと良いでしょう。
トコジラミの保証期間は長すると逆に損?
施工時期に合った保証の内容を
トコジラミの再持ち込みまで保証をしてくれる長期保証は、本当にお得なのでしょうか。
トコジラミの保証は長い=得ではない理由
トコジラミの保証は、北海道などの寒冷地を除くと、施工完了から1年ほどで十分と思います。
何故ならば、四季のある日本でのトコジラミの一生のライフサイクルを考えると、
1年以上の期間は、新たに持ち帰ったトコジラミが原因だと考えられるからです。
保証は長ければ安心では?と思ってしまいますが、
料金や施工内容を考えて、本当に得なのか?という点で考えることをお勧めします。
施工業者の中には長い保証をつけてくれる業者もいます。
しかし、3年、5年、10年の超長期間の保証は本当にお得なのでしょうか?
以下の内容も参考にされてください。
再持ち込み分の駆除料金が割り増される可能性
トコジラミの生存期間は、吸血ができない状態でも、23℃下では雄が 85 日、 雌が 69 日、13℃下では約 1 年、10℃下では 2 年近く生存することができると言われています。日本には四季があり、生活環境下ではエアコンにより冬でも室内は暖かくなりますので、あまりにも長い期間の保証には施工と因果関係のない期間でトコジラミが発生した場合でも無料で駆除しますという内容になります。つまり、新たに持ち込まれた場合に駆除するための費用は予め料金に上乗せしなければ、業者の経営は成り立ちませんので、不必要な料金を支払っている可能性もあります。
過去に旅行代理店などが突然倒産して社会問題化した例にあるように、過度なサービスと無理な料金設定のビジネスモデルは破綻し、背景にはそうせざるを得ない競争環境の事情がありました。
温暖化とインバウンドの増加によって、トコジラミの再持ち込みの可能性は考えられますが、施工と因果関係のないトコジラミの発生を何故保証をしてくれるのか?、本当に保証をしてくれるのか?という視点でも考えてみるのも良いと思います。
残留性薬剤の大量散布による薬害の可能性
駆除業者の立場になると、超長期間の保証は出したと言え、トコジラミの再持ち込みの駆除はできるだけやりたくはないはずです。
すると、どうするかというと、残留性薬剤に頼るではないでしょうか。
SNSか個人ブログで、自宅でトコジラミが発生し、業者に1回の施工で駆除を済ませてもらったけど、
薬剤で床がベトベトになっていたという記事を見たことがあります。
長期間効果が持続できるくらいに濃度の高い薬剤を散布面積を広く散布しておくと、その面を移動して薬剤の成分が付着したトコジラミは致死します。
成分濃度が高いと長期残効性も期待できるため、駆除できなかった成虫や現在の卵が孵化した幼虫だけでなく、今後、新たにトコジラミを持ち込んだ際でも、駆除剤の残効性によって駆除ができる可能性が高くなります。
しかし、この駆除方法は2つの点で懸念されます。
人への健康被害とトコジラミの殺虫剤感受性への影響です。
現在、日本でみられるトコジラミの9割以上がピレスロイド系統に対する薬剤の抵抗力が高く駆除を困難としているため、
駆除業者は、有機リン系やカーバメイト系の薬剤を使用しています。
有機リン系やカーバメイト系の殺虫剤は一部の海外では室内で使用することが禁止されています。
これは言うまでもなく、居住空間での使用は人体への影響の可能性があるからではないでしょうか。
例えば、有機リン系農薬は、子どもに発達障害,脳腫瘍などへの影響を指摘されています。
2010年頃から、有機リン系農薬(OP)曝露がADHDなど発達障害のリスクを上げることを示す論文が多数発表された。2012年、米国小児科学会は“農薬曝露は子どもに発達障害,脳腫瘍などの健康被害を起こす”と公的に警告した(Pediatrics, 130)第45回日本毒性学会学術年会
薬剤濃度を高くして、広い範囲に薬剤を散布することは、
短期間での駆除や再持ち込み時でもトコジラミの繁殖を抑えることが期待できますが、
健康への影響が懸念されます。
我々駆除業者が使用している「有機リン系殺虫成分」と「カーバメイト系殺虫成分」は、神経伝達物質の量をコントロールしているアセチルコリンエステラーゼという酵素の機能を阻害することで、昆虫を駆除しています。
両者は、昆虫を駆除するまでに至る仕組みは同じなのですが、酵素と結合した後に離れることができるか、できないかの違いがあり、カーバメイト系殺虫成分は、時間の経過で自然に離れることができますが、有機リン系殺虫剤は一度結合すると離れることができません。
人間も、昆虫と同じように酵素というタンパク質を持っていますので、
トコジラミを駆除するという一面だけでなく、
住む人の健康面を考えるならば、
「適切な場所」に「適切な量」の薬剤を使うことが求められます。
そしてもう一つ、
過剰な薬剤散布はトコジラミに対する薬剤の抵抗力をつけてしまいます。
無計画な殺虫剤の散布で生き残りの個体がいると、その子孫は使用した殺虫成分に対する抵抗性を徐々に発達させてしまいます。
ピレスロイド系統だけでなく、有機リン系やカーバメイト系統の薬剤が効かなくなってしまい、
さらに駆除を困難として国内で大発生してしまうことが懸念されます。
このように殺虫剤の成分は、ヒトや対象昆虫等への影響があります。
しかし、依頼する業者によって、薬剤を使用することに対する認識は異なります。
一見すると、保証期間は長ければ長いほど良いように思いますが、
施工内容はどうなのか、安全なのか、
トコジラミの再持ち込みに対する保証は、本当に必要な保証なのか、本当に保証をしてくれるのか、
見積もりの金額が意味することにも気を付けて検討されると良いと思います。
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