トコジラミは、私たちの生活環境に潜む害虫のひとつです。その特性から、一匹残らずに完全な駆除が必要とされる理由があります。

以下に、その理由を紹介します。

1頭のメスから500頭に繁殖!生命力にも優れた生態

トコジラミの完全駆除が必要な理由に、繁殖力が非常に高い点が挙げられます。
交尾を終えたメストコジラミは、毎日5~6個の産卵をし、生涯で約500個の卵を産むことができると言われています。

また、その卵は25度の環境下では5日で孵化すると言われています。
つまり、一匹残らず駆除をしなければ、生き残ったトコジラミが毎日卵を産み続け、爆発的に繁殖をしてしまうことになります。

トコジラミの生活環
ちなみに、トコジラミは、5回の脱皮を経て成虫となりますが、卵から成虫になるまでの期間は気温環境によって異なります。
気温25℃の環境下では、卵から成虫になるまで、40日程度、気温15℃では、237日程度かかると言われており、
交尾を終えた一匹のメスの生き残りから、突然、爆発的な繁殖をしてしまうことがあるのです。

無吸血でも2年間も生存!?生命力にも優れた生態

トコジラミは、飢餓に強く、無吸血でも長く生き延びることができます。
気温10度では約2年生き延びたと言われています。

【薬剤抵抗性】ピレスロイド系統の殺虫剤が効かない

近年のトコジラミはピレスロイド系統の殺虫剤に対して高い抵抗性を持ち、
日本のトコジラミの9割以上がピレスロイド系統の薬剤に対して抵抗性を有していると言われています。

隙間に生息し殺虫剤が行き渡らない

殺虫剤抵抗性があるだけでなく、
トコジラミは、常に小さい個体で、コンセントの差込口、巾木、家具や布団、カーペットなど、
薬剤が行き届かない隙間に隠れて生息していることも、根本的に駆除が難しいとされる理由です。

近年のトコジラミは、薬剤耐性がついており、市販殺虫剤が効かないコロニーが多くみられます。

加えて、その生態の特徴からは繁殖力と生命力に非常に優れており、非常に小さい個体で、家具や布団、カーペットなどの隙間に潜むことができます。そのため、一見するといなくなったように感じる場合でも、どこかに潜んでいることがあり、知らぬ間に爆発的な繁殖を繰り返します。この特性から、完全駆除が難しいとされています。

トコジラミを駆除する必要性

健康への影響がある

痒みによる皮膚トラブル

まず、トコジラミは人間の血を吸って生活しています。血を吸われることで激しいかゆみに襲われ、赤みが出ることがあり、皮膚トラブルやストレスを引き起こすことがあります。また、アレルギー反応を起こす人もいるため、健康被害が無視できません。

精神的な負担

激しい痒みに襲われることでストレスを抱えてしまいます。

トコジラミが室内にいることが気になると、なかなか熟睡をすることも難しくなるでしょう。

他の人の家に移してしまったらどうしようか気になり、他の人との接触が心配になってストレスに襲われる方もいます。

まとめ

完全駆除が必要とされる理由をおさらいすると、以下のようになります。

トコジラミは完全駆除が必要な理由

– 繁殖力が高い
– 生命力にも優れた生態
– 薬剤抵抗性を持っている
– 隙間に生息し殺虫剤が行き届かない

これらの理由から、トコジラミは完全駆除が必要とされています。薬剤耐性を持ち、家具や布団などの隙間に潜むため、駆除が難しいトコジラミの駆除方法は、専門の業者に依頼するのが一般的です。業者の中には、環境にやさしい駆除方法や予防策を提案してくれるところもありますので、適切な対策を行うことが大切です。

また、日常生活においても、

靴や鞄をプラスチックケースの中に置くようにして、家への個体の持ち込みを予防することで、トコジラミの発生を防ぐことができます。特にホテルや旅館などを利用した際は、ベットの下や部屋の隅に血糞がないかなどに注意をして、トコジラミを持ち帰らないように注意が必要です。

トコジラミは完全駆除が求められる理由は「健康面への影響」と「トコジラミの繁殖力」の大きく2つの理由に分かれますが、
何よりも健康面と精神面での被害を防ぐため、早期の駆除が大切です。

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