シロアリ駆除工事を業者に依頼する時は、まずは見積もりを依頼しなければいけませんが、
シロアリ駆除の見積もりは、施工業者による「事前調査」を行う必要があります。

なぜなら、シロアリ駆除の料金は家の広さだけでなく、

・「シロアリ被害があるかないか」
・「シロアリの種類は何なのか」
・「建物の構造はどうなっているか」
・「どのような施工方法で駆除・予防ができるか」

によって変わるためです。

また、
・「通常の保証ができる案件か」
・「損害保険の対象となるか」

など、案件によって施工後の保障内容が変わることもあります。(特に基礎断熱の建物や蟻害物件などは注意)

つまり、シロアリ駆除には現地調査は必ず必要なのです。

したがいまして、ネットの広告等に書かれている1平米辺りの料金と
家の図面に書かれている面積(平米数)を乗じて、料金を把握し、
現地調査なしで業者に依頼すると、工事が始まってから、トラブルの原因となりますので、必ず「事前調査」からお願いしましょう。

また、インターネットで見る異常に安い料金で追加料金不要という広告にも注意が必要です。

そもそもが採算がとれない料金帯であると、業者は事業の継続ができませんので、
シロアリ駆除以外の商品の販売によって事業が成り立っている可能性が考えられます。

また、インターメット上で広告だけを行っている会社による「宣伝業者」も理解しておく必要があります。
宣伝広告では、全国一律で料金サービスを定めていますが、
実際に工事を行うのは、小規模な業者がほとんどで、当然、工事の内容にバラツキがあります。
中には、シロアリ駆除の経験が少なかったり、湿気対策など高額な工事の契約を迫る業者もいるようです。このような失敗事例も知っておきましょう。

ここでは、シロアリ駆除の見積もりを依頼する方が失敗しないためのポイントをお伝えします。

シロアリ駆除に失敗しないためのポイント

ざっくり言うと
・シロアリ駆除費用の相場感を知っておこう
・料金が安すぎると生じるリスクも知っておこう
・現地調査を依頼して見積書をもらおう
・追加料金の有無について確認しておこう
・事前調査の内容にも注意!わからないことは聞いておこう
・その場で決めない!自信がなければ、数社見積もりをとって比べよう

について詳しく説明していきます。

シロアリ駆除費用の相場感を知っておこう

シロアリ駆除に限らず、
どの業界にもボッタクル(値段が異常に高い)業者はいます。

ただ、シロアリ駆除は、目に見えない床下での作業がほとんどで
素人には業者の言っていることが本当なのかがわかりません。
そのため、シロアリ駆除業者の中には”いかにして儲けるか”や”自分の利益しか考えていない業者”が紛れ込みやすいのも事実です。

もしもこのような悪意のある業者が見積もりにやって来たときに
「おかしいな?」と思えるように
まずは、シロアリ駆除費用がどれくらいの料金相場なのかを知っておきましょう。

シロアリ駆除費用の相場感

シロアリ予防 : 坪5000円~坪8000円
ヤマトシロアリ駆除 : 6000坪~坪10000円
イエシロアリ駆除 : 1階が20坪程度の広さの家で、30万円前後~

「会社の大きさ」などによって料金設定が違います。

また、表記されている坪単価は安くても、コンクリート処理などを別途費用としている業者もいて、総額では高くなることがあります。

参考記事:シロアリ駆除費用の相場と業者選びの注意点

料金が安すぎると生じるリスクも知っておこう

例えば、リフォーム中に白蟻がいるのが分かって、
大工さんが安く駆除してくれるからと任せたけども、
数年経ってから、突然家中に羽アリが発生したなんてことはよくあることです。

シロアリは数万~数十万頭の大家族で生活をしているので、部分的に殺虫剤を撒くだけでは駆除ができないのです。

シロアリ駆除には、シロアリの生態や薬剤に関する知識と経験が必要です。

ところが、
シロアリ駆除業には国の許認可などが必要ないので、
シロアリ駆除をやっている業者の中には「シロアリに詳しくない業者」もいます。

シロアリを予防するにも、
実際のシロアリ被害現場を知らなければ、
どのような所からシロアリが侵入してくるのかも分からないため、的確なシロアリ予防はできません。

また、
業績が良くない業者は
相場よりも大幅に値下げをすることがあり、

「薬剤が通常よりも薄い」「後から他の商品を売るつもり」「業者が廃業して保証が受けれない」

なんてこともありますので、
料金の「安さだけ」で業者を判断して決めないようにしましょう。

よく言われる、シロアリ駆除で失敗しないための「シロアリ業者の要素」は次の3つです。

シロアリ業者選びの3つのポイント

1.シロアリ駆除の技術があるか

2.本当に保証をしてくれる業者か

3.地域社会との共存性があるか

シロアリ駆除業者を選ぶ方は、
この3つを頭の隅に置いておきましょう。

現地調査を依頼して見積書をもらおう

追加料金の有無について確認しておこう

見積書をもらって、確認しておきたいことが、
「追加料金が発生する可能性」についてです。

追加料金はかからないと記載する業者や養生費用や駐車場の料金など必要な場合があると細かく記載する業者もいれば、
何も記載しない業者もいます。

何も書かれていないから料金はかからないだろうと思って業者に依頼をして、
追加料金を請求されて後からもめるのも面倒です。

また、業者の中には、
初めに安く工事を契約して、工事中に「追加工事を勧めてくる」業者もいます。

A社とB社で料金を比較して安かったA社に決めたけれども、
結果的に、施工中や施工後に色々と勧められて契約をしてしまい、A社の方が高くなった・・ということもあります。

後で、後悔しないために、
「追加料金が発生する可能性」について確認をしておきましょう。

事前調査の内容にも注意!わからないことは聞いておこう

中には、床下に入らずに、
家の広さと工事単価で金額を算出した見積書だけを渡す業者もいますが、

「追加費用のリスク」
「想定外の工事」
「未処理部分からのシロアリの侵入」
などが発生する可能性があります。

例えば、
床下は、すべての家が同じ造りではありませんので、
基礎で囲われている場所があって、床下からシロアリの被害の有無が確認できない場合などがあります。
このようなケースで床下調査を行っていなければ、
もしも施工中にシロアリ被害が確認された場合やどのように施工するのかについての事前説明がないため、
後々でトラブルの原因となってしまいます。

また、
シロアリをよく知っている業者と
あまり詳しくない業者とは、「見ているところ」が違いますので、
事前調査の内容にも注意しておきましょう。

シロアリ調査が終ると、
「シロアリ被害があるのかないのか」
もしも、シロアリ被害があるのなら、
ほとんどの業者は、
「どこからシロアリが侵入しているのか」をデジタルカメラの写真を見せて説明してくれるでしょう。
そして、どのように対策をすれば良いのかを提案してくれ、その提案に基づいた見積書を渡してくれます。

この時に、
調査の内容、工事の内容、見積書の内容、保証の内容で分からないことがあれば、聞いておきましょう。

例えば、
工事は
どのような場所にドリルで穴をあけるのか
どのように補修するのか
どのような薬剤を使用するのか
保証書はあるのか
保証はどんな内容か(損害補償はあるのか、保証ができない場合はあるのか)

など、
気になることがあれば聞いておきましょう。

尚、シロアリ駆除の方法によっては、
工期が2~3か月間に及ぶこともあります。

工期が長期間にわたる場合は

「支払いのタイミング」
「もしも予定期日で終わらなかった時の追加料金の発生の有無」

は最低限聞いておくと安心です。

その場で決めない!

シロアリ駆除で後悔しないためには、

見積書をもらったその日に、その場で決めないことです。

一度冷静になって、
疑問な点はないかなど考えて、
確認すべきことがあれば、業者に連絡をして聞きましょう。

中には、その場で決めてもらうために、
「今なら」と安くする業者もいますが、自分本位に契約を迫る業者は、アフター点検でも自分本位に追加販売を行う傾向がありますので、あまりお勧めできません。

自信がなければ、数社見積もりをとって比べよう

数社見積もりを依頼するメリットとデメリット

メリット

・調査内容を比べることができる
業者の中には、営業ノルマが厳しく、必要性の低い商品を進めてくることがあります。
例えば、大して床下の湿気やカビもないのに、床下換気扇や床下調質材を勧めてくるなどです。

数社、シロアリ調査を依頼することで、
業者の言っていることが本当なのかを判断することができます。

・見積書を比べることができる
「異常に料金が高い会社」や「異常に料金が安すぎる会社」に気づくことができます。

デメリット

・依頼した業者の数だけシロアリ調査見積もりの時間を作る必要がある
・依頼した業者へ断わりの連絡をする

さいごに

いかがでしたか。
シロアリ駆除で失敗しないために
業者に見積もりを依頼する流れはつかめましたか?

初めてだと不安の方も多いと思います。

今、ここにお伝えしたすべてを理解できなくても

とにかく
「その場で契約しない」

ことだけを守れれば、

後からゆっくりと考えれるから大丈夫ですよ。(^_^)