ハクビシンは雑食で果物、野菜、小鳥、昆虫等の小動物など何でも餌にします。
特に甘い果実が大好物で、モモ、ぶどう、サクランボ、ナシ、ミカン、カキ、リンゴなどを好んで食べます。
野菜では、トウモロコシ、メロン、スイカ、イチゴ、トマト、ジャガイモ、サツマイモなどを好みます。

近年はハクビシンの農作物での被害も問題となっていますが、
運動能力の高いハクビシンは、地上から1mもジャンプでき木登りが得意です。
バランス感覚が非常に良いため、果樹の枝の上をなんなく歩いて移動をし餌を採取します。ハクビシンは猫の仲間ですが穴掘りは行わず、地面を掘り返さなければ採取できない野菜よりも、果物を餌場に選択する傾向があります。

平成 18 年度の農林水産省「生産局農産振興課資料」の統計によると、ハクビシンによる農作物の被害金額は、2億3千万円と言われ、被害金額の6割以上が果樹となっています。また、ハクビシンの農作物被害は平成13年からの5年間で2.5倍に増加しています。

ハクビシンの行動範囲は30ヘクタールから70ヘクタールと言われますので、自宅の小屋裏等でハクビシンの侵入に気付いたら、畑での被害も疑わなければいけません。

ハクビシン被害を防ぐ為に、まずはハクビシンかを特定しましょう

ハクビシンに似ている農作物に被害を及ぼす動物に、タヌキ、アナグマ、アライグマがあげられます。
4種とも顔の模様や、体系がハクビシンと似ているため、判別するには注意しましょう。

「額から鼻にかけて白いスジがある」のはハクビシンだけです。

ハクビシン
・尾が長く、体の長さとほぼ同じ。
・鼻から後頭にかけて白い帯がある。
・指は5本。

タヌキ
・前肢から肩にかけて黒い帯が特徴
・四肢は黒色。
・指は4本で、イヌに似ている。
・体重は約3~5kgである。
・尾が短い。

アナグマ
・四肢は短く、褐色か黒色。
・耳は小さく先端が丸い。鼻が大きい。
・指は5本で、湾曲した長い爪がある。
・体重は約10~12kgである。
・尾が短い。

アライグマ
・尾の黒い縞模様(5~7段)が特徴。
・指は5本で細長い。
・体重は約4~10kgである。
・尾が短い。

ハクビシンの被害を防ぐ

ハクビシンが寄り付かないようにする

自然環境下での食物と比べて、生活ごみは栄養価が高いため、肥料として用いる場合には、容易に採取できないように埋設するなど行いましょう。
また、収穫期が過ぎて、落下した果実、収穫しない果実は、農地に残さないようにしましょう。

農地周辺の用水路や排水路は、ハクビシンの移動経路となります。
落葉などを頻繁に清掃することで、ハクビシンが人間の気配を感じ警戒をするため利用をしなくなります。

ハクビシンが農地に侵入できないようにする

ハクビシンは、運動能力が高く、木登りやジャンプ力、バランス感覚に優れています。
そのため、イノシシやシカで使われるトタン板、遮光ネット、ビニールシート、金網フェンスなどの防護柵をハクビシンにそのまま転用しても効果が見込めません。
ハクビシンの侵入を防ぐ方法として電気柵が最も効果的です。
5,000~10,000 ボルト程度の高電圧の電気が1秒間隔ほどで流れているため、ハクビシンを含めた獣類が柵に触れると電気ショックにより撃退されます。